STORY
第6話深淵のマーメイド!
初めてふれた郁弥の笑顔を、今でも覚えている。
留学先のアメリカで、二人はともに練習に励み強くなってきた。
そんな郁弥の調子を乱す遙の存在…。
日和は郁弥に遙のことを忘れて欲しかった。
新人戦以降、郁弥は調子を崩し、それはタイムにも顕著にあらわれた。
アメリカ留学中、遙の不在を痛感した郁弥は、
あの日から仲間を求めず一人で強くなろうと決めた。
しかし、遙と再会したことで捨てたはずの気持ちに戸惑い始めていた。
過去に囚われ泳ぎに集中できていない郁弥に、もどかしさを募らせる日和。
日和は郁弥に遙のことについて苦言を呈する。
しかし、郁弥は「日和には関係ない」と言い放つ。
これまで郁弥を誰よりも側で支えてきた日和にとって、それは何よりもつらい一言だった――。
絵コンテ:山田尚子・藤田春香演出:山田尚子脚本:吉田玲子作画監督:高瀬亜貴子・角田有希
WEBエンドカード
スタッフコメント
絵コンテ・演出:山田尚子

第6話で大切にしたかった「一推し!」シーンを教えてください。

いちおし…。日和が郁弥を大切に思う気持ちの不器用さでしょうか。
日和は自分の話をするのが極端に苦手そうです。それは、話をする相手のことを尊重して考えすぎるからなのかなぁと。今回は、日和のセルフプロデュースの弱さと、郁弥を思う気持ちの強さが彼の中でぶつかり合って、本意の大切な部分が相殺されてしまう。
結果、郁弥にとってあまりうれしくない形で伝わってしまって…。
なんとも切なくはがゆい思いに支配された話数でした。
どうかどうか日和と郁弥に幸あれ…っ!(なるべく早く)

演出時に印象的だった出来事、エピソードを教えてください。

音を付ける作業の時のことなのですが、日和が夜の公園で郁弥を滑り台から引きずりおろしたシーンに、めちゃくちゃかっこいい劇伴が乗ったこと。
なんというか感傷的な、とかドラマチックな、みたいな音楽ではなくて、
戦いの火ぶたが切って落とされた!みたいな。魂、ぶつけてくぜ!みたいな音楽で。
その瞬間。っっ…そうだったっっ!Free!ってこうだったわ!!と一気に目が覚める思いでした。
そのあと急いで、劇伴が始まるカットに勢いを感じるようなカメラワークを足しました。

作画監督:高瀬亜貴子

第6話で上手くいった、楽しかった、大変だった等の印象的だったカット(シーン)を教えてください。

ご視聴ありがとうございます。
6話では、日和の幼い頃からを描くことができて、楽しかったです。
郁弥は日和の王子様として魅力的に、
日和はあどけなく初めての友達と接する初々しさを意識して作画しました。
最後の公園のシーンは6話の山場のシーンなので印象的になればいいなと思い、
気合を入れて描かせていただきました。
郁弥と日和お互いのモヤモヤやどうにもならない憤りのような心情が
伝わればいいなと思います。

撮影監督:髙尾一也

第6話での撮影のポイント、押さえておきたい見どころを教えてください。

この話数はなんといっても郁弥と日和の夜の公園です。
「あぁぁ郁弥、あぁぁ日和、ちょっと二人とも落ち着いて」
と仲裁に入るような気分で撮影しました。が、止めるわけにもいかず臨場感がでるようカメラワークに気を使いました。
あと日和が飲んでるゼリーサイダー。
綺麗に見えるようCGでも色々と処理を足しているのですが日和の心情と相まって「飲んだら苦そうだなぁ」と思いました。