STORY
第12話Dive to the Future!
「ハルは初めて泳いだ時からフリーだったんだよ。」
──全日本選抜を応援するために再び上京してきた、渚、怜たちに真琴は語る。
遙はいつも、水と共にいた。
大会会場に続々と集まる強豪選手たち。その中には凛の姿もあった。
対峙する遙と凛。いよいよ、全日本選抜が始まる。
初戦は郁弥と夏也の個人メドレー200M。
郁弥は渾身のフリーで驚異の追い上げを見せ、僅差で夏也を破る。
続くフリー50Mで姿を現したのは鳴武沢大学の金城楓。
旭と日和をいとも簡単に破り、大会記録を叩き出す。
しかし金城はただ酷薄な笑みを浮かべるだけ。思わぬ脅威に場内がどよめく。
そして、凛のバタフライ100M決勝。緊張感漂う大舞台で、凛は世界への切符を手に入れた。
仲間たちの勝利と敗北。フラッシュバックする金城、アルベルトの泳ぎ。
フリー200Mで、遙は水に呑まれた。
ラストで奮い立つも、光に向かって伸ばした手は僅かに世界へは届かなかった。
遙は、真琴、凛に敗北の思いを打ち明ける。
「俺は、世界で戦う!」
――遙の胸には、すでに闘志の炎が宿っていた。
スターティングブロックに並び立つ遙と凛。響くスターターの音。
それは未来へとつながる新たな始まり。
確かめに行こう、この先に何があるのか。
飛び込もう、未来へ――!!
絵コンテ・演出:小川太一、河浪栄作脚本:横谷昌宏作画監督:岡村公平、池田和美、高瀬亜貴子
WEBエンドカード
スタッフコメント
絵コンテ・演出:小川太一

第12話で大切にしたかった「一推し!」シーンを教えてください。

まずはやっぱり夏也と郁弥の兄弟対決でしょうか。
「映画 ハイ☆スピード!」から描いてきた兄弟の大きな一つの節目。
水泳という競技を通じて改めて通う兄弟の絆です。
小さなの頃から弟を想う兄、中学の頃にはあえて突き放すようなことをして、きっと夏也自身も辛かった記憶と、兄が大好きで自分の水泳の原点を振り返る郁弥の思いが勝負という形で交差したとき、溢れ出る思いは幾ばくか計りしれません。
そして、TVアニメ「Free!」から紡いできた仲間たちとの絆が
「世界」へと向けて新たな形を見せ始めました。
そんな、最終回であるというのに新たな展開を期待させる後半も見逃せません。
特に、夕暮れの浜辺で吐露しあう遙、真琴、凛の三人のシーンは最終回らしい賑やかさはありませんが、「Free!」という作品が積んできた深みを感じられるものになっていると思います。
そして、遙のシャウトで一緒にこれから未来に飛び込んでいくぜ!って感じがたまりません。

演出時に印象的だった出来事、エピソードを教えてください。

今回、河浪監督と二人でコンテ演出を担当させていただきました。
とくに前半を担当させていただいたのですが、コンテを描く際の打ち合わせで、
監督に夏也に関して重箱の隅をつつくような質問をしていたら……
「小川くん、夏也気になりすぎでしょ!」って言われて、
「あぁ、たしかに夏也良いわぁ……」と自覚しました(笑)
だってかっこいいですもん夏也!と、ここで告白してもしかたありません。
「大丈夫です!ちゃんと全てのキャラクターに感情移入してますよ!?」
といったような話をしました。
そして、印象的だったことで言えば、
「Free!」独特の熱のあるアフレコ収録の現場でしょうか。
スタッフもキャストも熱く作品について語り合い、高めあう姿がとても印象的でした。
まさにその現場に立ち会えたことは演出として本当に良い経験になりました。

作画監督:池田和美

第12話で上手くいった、楽しかった、大変だった等の印象的だったカット(シーン)を教えてください。

全日本選抜が始まり、それぞれが世界をめざして勝負に挑みます。
桐嶋兄弟に旭、日和、そして遙と凛。
それぞれのこれまでの想いが込められた大会ですが、まだまだ世界への壁は厚い……。
勝負の世界は厳しいですが、みんな成長した!強くなった!と感じる回でした。
ライバルの怖さと、挑み続ける遙たちの力強い泳ぎにご注目ください!
あと、応援も含めるとレギュラーキャラもすごい人数……
「Free!」世界も大きくなったものです。

3D監督:柴田裕司

第12話での3DCGのポイント、押さえておきたい見どころを教えてください。

8話に続き乱れ飛ぶ3Dスイマー。
今話数はレースの回数が多いのでその分、3Dスイマーの水着も作成しました。計40人!
メインキャラと一緒に泳ぐ、名も無きスイマー一人一人にもしっかり水着の設定があります。
1、2カットしか出番の無いスイマーも要チェックです!